帝国滅亡――。
帝国滅亡――。 サラエボ要塞での四カ国同盟との決戦のさなか、転移者の猛攻により、 壊滅的な打撃を受けたハイセルク帝国リグリア大隊。 転生者である帝国兵ウォルムは、敵軍の総攻撃により意識を失い、 苦楽を共にした分隊員の亡骸ごと、墓標と化した曲輪に埋没していた。 散った仲間への手向け、祖国への忠誠、仇敵への憎悪。 灯る激情は名実ともにウォルムの瞳を濁らせ、冥府の誘い火が内部より敵陣を蝕む。 攻勢前夜に《鬼火》によって多数の人員と物資を喪失した四カ国同盟は、 禁忌とされる魔領を焼き払い、人為的に魔物たちの大暴走を引き起こす。 繰り返される死守命令。混沌の坩堝と化した最前線に迫る魔物の大波。 そして長き眠りから目覚める”意思を持つ天災”――。 ハイセルク帝国の存亡を賭けた「防衛戦」が始まる。 「小説になろう」が誇る戦記譚、第2集。