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俺が主役だ! ……主役だよな? 著:日富美信吾 イラスト:こもわた遙華

  • セルセラ

    「よしよし。みんな、集まってるみてーだな!」

  • 志郎(しろう)

    「おいおい、セルセラ先輩。呼び出した張本人が遅刻してくるって、どういうことだよ?」

  • セルセラ

    「ふっ、決まってんだろ? 寝坊したんだ。言わせんな、恥ずかしい」

  • 志郎

    「本当に恥ずかしいな!」

  • レン

    「それで、セルセラはどうしてみんなを集めたの?」

  • フィリア

    「それはわたしに答えさせて。第1転生課のみんなの親睦を図るため。――そうでしょ? セルセラ」

  • セルセラ

    「フィリるん、惜しい! 正解はある本の宣伝をして売り上げアップを図るためだぜ!」

  • 茉琴(まこと)

    「……まったく惜しくないと思うのは、あたしだけ?」

  • 志郎

    「セルセラ先輩。それで、何の本を宣伝するんだ?」

  • レン

    「志郎の部屋の、ベッドの下にあるやつなの!」

  • 志郎

    「ちょ、レン。いったい何を言って――ヒィッ!?」

  • フィリア

    「志郎くん、それはすぐに処分すべきだと思うの」

  • 茉琴

    「フィリアのいうとおりね。即刻、処分しなさい」

  • 志郎

    「怖い怖い怖い! 美少女二人のガチ怒りとかめちゃくちゃ怖いよ! というか、そんな本はないから! レンの冗談だから!」

  • フィリア

    「そうなの?」

  • レン

    「そうなの!」

  • 茉琴

    「……あたしは志郎のこと、信じてたし」

  • フィリア

    「なっ!? わ、わたしだって、志郎くんのこと、信じていたわ!」

  • 茉琴

    「どうかしら? 目をつり上げて……あれはかなり本気っぽかったけど」

  • フィリア

    「その言葉、茉琴さんにそっくりお返しします!」

  • セルセラ

    「――と、いい感じに場があったまってきたところで、本題に戻ろうぜ」

  • 志郎

    「これのどこがあったまってきたんだ!?」

  • セルセラ

    「そんなの、あたいにわかるわけねーだろ?」

  • 志郎

    「言い出した張本人が驚きの無責任発言!」

  • セルセラ

    「というわけでだ。2月2日発売予定の『トラックに轢(ひ)かれたのに異世界転生できないと言われたから、美少女と働くことにした。』の宣伝をするぜ。ひゅーどんどんぱちぱち! あ、これは効果音な?」

  • 志郎

    「効果音って何だよ!? ――って、そんなのはどうでもいいんだけど……うーん」

  • レン

    「どうしたの、シロー?」

  • 志郎

    「なんか似たような感じで宣伝する流れを、前にどこかで見たような気がするんだよ」

  • フィリア

    「志郎くん、ここで『魔王と勇者が不適切な関係。』Web限定書きおろしショートストーリー『そして誰もいなくなった』のことに触れるのはよくないわ」

  • 茉琴

    「そうよ、志郎。『魔王と勇者が不適切な関係。』が絶賛発売中であることにも、触れない方がいいのよ」

  • 志郎

    「いやいやいや!? 二人ともめちゃくちゃ触れてるからな!?」

  • レン

    「何の宣伝をするのか、わからなくなってきたの」

  • セルセラ

    「まったくウメっちにも困ったもんだぜ。というわけで、フィリるん。任せた!」

  • フィリア

    「任されたわ。『トラックに轢かれたのに異世界転生できないと言われたから、美少女と働くことにした。』略して『トにした。』は講談社ラノベ文庫より、2月2日発売予定ですっ!」

  • 茉琴

    「あたしたちをかわいく素敵に描いてくれている、こもわた遙華先生のイラストが目印よ」

  • レン

    「みんな、買って欲しいの! レンのお願いなの!」

  • セルセラ

    「……ウメっちなら、これぐらいできるって期待していたのに。本当にがっかりだよ」

  • 志郎

    「さっきから俺が悪いみたいな流れになってるけど、俺、悪くないよな!? てか、俺、主役なんだけど!」

  • セルセラ

    「え……?」

  • 志郎

    「なんで驚いた!? 主役! 俺、めっちゃ主役!」

  • セルセラ

    「ああ、そうだよな。そういうことにしておけばいいんだよな?」

  • レン

    「レンはシローが大好きなの!」

  • 茉琴

    「志郎、あたしは志郎を信じてるから」

  • フィリア

    「志郎くん、がんばって!」

  • 志郎

    「みんなに声をかけられればかけられるほど、俺が主役じゃないみたいな流れに!? 俺、本当に主役なのに~!」

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