朝霧凛
「賭けてもいい。荻野はいつか私を忘れる!」
朝霧凛。他人とふれあうことを拒んで、壁を作って、誰も寄せ付けなくて――けれど、心の底では確かにぬくもりを求めていた、美しい黒髪の少女。そんな彼女に僕が一目惚れをしたときから、この物語は始まった。だけど、彼女が初めて僕に笑いかけてくれた日――僕は全てを失った。まばゆい笑顔だけを残して、彼女は僕の前からその姿を消してしまったのだ。そして同時に、凛に関する記憶だけが、ぽっかりと穴が開いたように、周囲の人々の中から消えてしまう。
――それから二年。忘れられた少女の記憶を胸に高二になった僕の前に、ひとりの転校生がやってくる。彼女は自らのことを、朝霧凜だと語り……!?
新人賞〈佳作〉受賞の鮮烈な青春ストーリー!
羽村香那佳は「事故」のおかげで2ヶ月遅れで箕和自由学院に入学することになった。己の欲望のために超能力を発動し、世界に呪素を撒き散らす超能力者がこの学院にもいるらしい……。
香那佳は密命を帯びて、【精霊強化付与師(エレメントエンハンサー)】の赤月蒼真とともに調査を開始するが【念動(サイコキネシス)】、【透視(クレヤボヤンス)】、【精神感応(テレパシー)】を駆使する超能力者たちが、ついに平和な学院でその牙を剥いた。
超能力者の圧倒的な力の前に次々と倒れる仲間たちを前に香那佳の魔神召喚が炸裂する!