廣瀬一也(ひろせかずや)
クラスになじめていない高校生。突如現れた黒い球体に飲み込まれ、異世界へと飛ばされてしまい、ドラゴンと出会う。
高校生の廣瀬一也は、いつものように一人で昼休みをすごしていたところ、近くに謎の黒い球体が浮かんでいることに気がつく。不審に思い近寄って触れた瞬間、一也は見知らぬ場所に立っていた。そしてそこに現れたのは 巨大なドラゴンだった! しかもそのドラゴンは記憶をなくしているらしい。驚きながらもドラゴンをおそれず会話する一也を気に入ったドラゴン。黒い球体も、そのドラゴンの力によって生み出されたもので、自由に行き来できるらしい。孤独なドラゴンに共感した一也は、授業のない週末に話し相手をすることになるが、早速事件が起きて ? 第3回講談社ラノベ文庫新人賞<優秀賞>受賞作、週末は異世界で大冒険!?
〈想刻器 (レヴナント)〉と呼ばれる、死者の怨念が宿ったモノが引き起こす事件が多発する世界 曰(いわ)く、それは壁の中から現れる。曰く、それは空を飛ぶ。曰く、それは炎でさえも生み出す 。荒唐無稽すぎて、現実味のない話だが、それは実在する。そして それらを回収・封印する特務機関〈想刻器対策局〉があることを、人々は知らない。
その回収課に所属する少年、史賀雪眞(しがせつま)。彼は〈想刻器〉に対し、並々ならぬ激しい憎しみを抱いていた。大切な家族を奪われた過去がゆえ、本来の役目である「回収」ではなく、「破壊」することを目論むほどに。それは暴走となり、行動をともにするチームメイトたちの頭を日々悩ませていた。
やがて、ある事件の中で一人の少女、祈璃(いのり)を救う。
「俺が……護った? 笑顔を?」
「助けてくれて、ありがとうございました……!」
眩しい笑顔の彼女との出会いにより、思いも寄らなかったことに気づかされる雪眞。その出会いは、少年の心の闇に差し込む光となるのか !?
史賀雪眞(しがせつま)
16歳。〈想刻器(レヴナント)〉に家族を奪われた過去を持つ。前髪にある一房の白髪は、その事件のショックによるもの。その瞳は鋭く、攻撃的。
阿木田祈璃(あきたいのり)
16歳。ある日、買い物に行った先で事件に巻き込まれ、雪眞に助けられた少女。身寄りがなく、教会でたくさんの家族たちと暮らしている。暗い過去を持っているが、とても明るくて前向き。少し天然。
伊那木未緋(いなきみあか)
16歳。雪眞のチームメイトで、チームリーダー。葵子に弄られつつ、雪眞の独断専行に悩ませられながら、日々苦労している。長身かつスレンダーで、少年っぽい見た目ではあるが、しっかりと少女である。ツンデレ。
呉羽葵子(くれはあおいこ)
18歳。雪眞のチームメイト。雪眞を「せっちゃん」、未緋を「みーちゃん」と呼ぶ、チームのまとめ役。見た目や口調はふわふわほわほわしたイメージだが、口が達者で、未緋を弄るのが大好き。ちょっとSっ娘。